HSPで繊細な人は音が気になる…カフェと自宅どっちの作業が捗る?
この10年ほどの間に、カフェやリゾート地でノートパソコンを開いて仕事をする「ノマドワーク」を実践している人、そして、そんな働き方に憧れる人が増えました。
HSPで繊細な人は職場の音や声、会話などがストレスになってしまうことが多いことから
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
オフィスワークの会社や業種では、コロナ禍になってテレワークを推奨する会社も多くなりましたよね。
そのような会社や部署にお勤めのHSPさんにとっては、今までと比べてとても働きやすく、業務のパフォーマンスが上がっているかもしれません(お子さんも家にいて仕事にならない!という方もいるかもしれませんが…)。
でもせっかくテレワークなら、おしゃれにノマドワーカーっぽくカフェでパソコンを広げて仕事をしてみる?
それとも一番暮らし慣れている自宅で落ち着いて仕事をする?
どちらがHSPさんに合っているか、私の実体験を交えて今回はお話しを進めて行こうと思います^ ^
HSPさんが職場での仕事に集中できない理由
もう耳にタコかもしれませんが、まずはHSPさんが職場で仕事に集中できない、業務のパフォーマンスが上がらない理由についてお伝えしますね(オフィスワークの場合)。
- 電話のコール音や周りの人の声で気が散ってしまう
- 上司が部下を叱る、社内外のミスに対して電話越しに怒るなど怒気を含んだ大きな声に委縮してしまう
- 蛍光灯が明るすぎたり、エアコンの風が直接当たったり、周りの人の汗やタバコ・香水や食べ物の匂いなどが不快に感じる
- 隣の席の人の貧乏ゆすりや舌打ち、独り言が気になって仕事に集中できない
- パソコンに向かいながら電話を取ったり、話しかけられたり、作業の途中で会議に入ったり…マルチタスクが必要で頭が疲れてしまう
このようなたくさんの刺激の中では、パフォーマンスは下がる一方です> <
いえ、パフォーマンスが下がるどころか、大きなストレスがかかって脳や心、体にも不調が出てきてしまう恐れすらあります。
繊細な方は、そういった刺激から極力離れた環境でお仕事をすることが大切になってきます。
HSPさんがカフェでパソコンを開いてお仕事をすると
職場は刺激が多すぎて仕事のパフォーマンスが下がる…だったらカフェでパソコンを開いて仕事をしたらどうだろう???
オシャレなカフェでノートパソコンを開いて仕事をしている人を見かけると、ちょっと憧れてしまったりもしますよね。
いつもと違う環境でお仕事をすると捗るかもしれない、なんて思ったり。
私の経験談になるのですが、カフェでブログを書いたことがあります。ひとり起業・ひとりビジネスで成功している方々がカフェでブログやメルマガを書いているので、やってみたかったのです^ ^;
結果、強度のHSPで極度の内向型な私はブログ記事1つ書き終えられなかったんですね。
原因は明らかでした。周りの雑音が耳に付いてしまって集中力がなくなってしまったからです。
- 隣のテーブル、近くのテーブルの人の話し声・笑い声
- 店員さんの接客の声
- コーヒー豆を挽く音
- エスプレッソマシンの「プシューッ」という蒸気音
- カチャカチャという食器音
このような雑音が耳に入り、目の前の集中すべきことに集中できなくなってしまうんですね…。
YouTubeでも「カフェの雑音で集中!」のようなポモドーロタイマー動画がありますが、あれもまったく作業に集中できなくて残念な思いをしました(T-T)
HSPさんが自宅で仕事をすると
ノマドワーカー気取りでカフェで仕事…は効率が悪いようです。では自宅ではどうでしょうか。
一言で「自宅」と言っても、それぞれのお宅で環境は様々です。
- 独り暮らしで静かな自宅
- 夫婦2人暮らしで、書斎や寝室など静かな環境を作れる部屋がある
- 子供はいるが、学校等で居ない留守に仕事ができる
- 乳児・幼児がいて、片時も目が離せない
- 作業する場所がリビングしかなく、パートナーや子供が近くにいる状況
作業が捗る環境が作れる人もいれば、全くと言っていいほど作業が向かないお宅もありますね。
なので、自宅で作業の結論としては【静かな環境を作れる自宅なら仕事が捗る】です。
大学の実験結果でも静かな環境での仕事が効率が良い
イギリスのグラスゴー・カレドニアン大学で2007年に、下の4つの環境で認知テストを行う実験をしました。
- 完全な無音
- 環境音(川のせせらぎの音、雨音、焚き火の音、生活している中で聞こえてくる音など)
- ゆったりしたテンポのBGM
- 速いテンポのBGM
その結果…
音楽を聴きながらテストを受けた人はみんな点数が下がったのです。
一番成績が良かったのは「完全な無音」の中で認知テストを受けた方たちです。続いて「環境音」を聞きながら認知テストを受けた方、音楽を聴きながら受けた方たちは更に点数が悪く、特に「速いテンポのBGM」は1番悪い点数でした。
そう、内向型・HSPに限らずですが、音がする中で勉強・仕事をしても効率が上がらなかったり、むしろパフォーマンスが下がるという実験結果が出たんですね。
また、イギリスのウェールズ大学では2010年に、学生たちに子音の一覧を見せて、ランダムに指示した順番で記憶させる実験を行いました。
この実験の趣旨は【自分の好きな音楽を聴きながらであればどうか】というもので、こちらでも下記の3つの環境に分けて記憶テストを行ったのですが…。
- 完全に無音
- 自分の好きな曲
- 自分の嫌いな曲
結果は、グラスゴー・カレドニアン大学の実験と同じく、静かな環境の方がより多くの項目を記憶できたそうです。
好きな音楽・嫌いな音楽は関係がなく、完全に無音の環境での被験者に比べて50%も成績が下がったとのこと。
内向型HSPさんは静かな環境で作業をしよう
大学の実験結果からもわかるように、音が聞こえる環境では残念ながら作業に集中できないのですよね。
カフェでのノマドワークはオシャレで憧れではありますが、様々な音や声が聞こえてしまう空間では作業効率は格段に下がってしまうことでしょう。
作業に集中するには、完全無音の空間が一番です。
自宅でその環境が作れるのであれば、やはり慣れた場所での作業は捗ります。
どうしても自宅で無音の環境が作れない場合に活用したいのが、コロナ禍でどんどん普及しているコワーキングスペースやレンタルスペースですね。
作業に必要な機材などが揃っていて、静かな環境も保たれている。内向型HSPさんにとても適している作業場所と言えます。
集中して作業したい時、考える時間が必要な時などは無音の中で作業できるような環境を準備するようにしましょう^ ^